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特集 おかしな懲戒 第3回

大阪南森町の弁護士事務所,井上・大森法律事務所の大山です。

特集「おかしな懲戒」の第3回は,23条照会の審査の実際です。

今回のX先生に対する「おかしな懲戒」は23条照会を巡る問題です。

23条照会は弁護士が弁護士会を通じて特定の団体が持っている情報を教えてもらうものだということは前回お話しました。

そして,大阪弁護士会のチェックを受けて,大阪弁護士会の会長の名前で照会先に送られるものであるということも前回お話しました。

裁判の書類や内容証明のように,各弁護士が自分で書いて,自分のハンコを押して,自分で相手に送りつけるものではないということもお話いたしました。

では,弁護士会はどういう場合に相手の団体や組織に問い合わせをしてくれるのでしょうか。

大阪弁護士会の司法委員会が編集し,大阪弁護士会の会長も序文をお書きになっているマニュアル「弁護士法23条の2に基づく照会の手引」(以下「手引」)を参照しながら説明しましょう。

まず,照会の申出をするには申出の理由が必要です。「なぜ23条照会をしたいか」ということです。

しかし,申出の当否を判断するために,具体的な理由を記入する必要があります。したがって単に「裁判資料とするため」「裁判所に提出するため」などという理由ではダメです(手引4ページ)。

23条照会をする理由なんて「自分は分からんし,相手も教えてくれないけど,あの人なら絶対知ってるから教えて欲しい」ということ以外に何もないんですが,それではダメなのです。

具体的な理由を書くのです。「その情報をなぜ知りたいか」「知ればどうなるか」「知らないとどうなるか」「知った後どうするか」こういうことを書き込んで行くことになるのでしょう。

ですが,そんなことを書きますと,当事者(特に照会される相手の人)のプライバシーを侵害する可能性があります。トラブルの核心中の核心なのです。核心部分でなければ,23条照会なんてする必要はありません。絶対に知りたい,知らないとどうしようもないからやるのです。

しかし,だからといって理由を抽象的に記載することは認められません。審査ないし判断が可能な限り具体的である必要があり,抽象的ですと弁護士会の審査段階で指摘を受けることになります(手引112ページ)。

そこで,弁護士会には理由をびっしり書いて送るけど,照会先にはプライバシー保護の観点から抽象化したものを送るという方法が考えられますが,大阪弁護士会はこれを基本的に認めていません(手引112ページ)。

つまり,23条照会を大阪弁護士会にしてもらうためには,具体的に事件の内容を詳細に書き込んで,それを大阪弁護士会に出して,それを大阪弁護士会は独自の基準で審査して,OKが出たら,大阪弁護士会はそれを会長名でそのまま照会先に送るのです。

抽象的なものは審査ではねられ,具体的なものを出して「相手にはこのままでは困るんだけど」という弁護士の配慮については,原則として,大阪弁護士会は認めていないのです。

原則ですから,例外はあります。それを判断するのも弁護士会です。

23条照会は弁護士会にすべての権限があり,各弁護士は弁護士会にお願いすることしかできないということになります。

次回は今回の懲戒のおかしさについて述べます。やっと23条照会の説明が終わりました。長くてすいません。


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by oyama-law | 2010-11-17 08:28 | 弁護士とは